9月4日より開催される日本最大のゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC」。バンダイナムコも多くのセッションを展開!『エースコンバット』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』などに用いられた技術秘話や、AR・MR開発についてなど、セッションの全貌を紹介します。
ゲーム業界の最先端技術を大放出!バンダイナムコのセッションを一挙紹介
「CEDEC」ってご存じですか?
ゲームを開発している企業によって結成された一般社団法人「CESA」が主催する、ゲーム開発者向けの日本最大のカンファレンスで、ゲームをはじめとした業界の技術や研究から、プロデュースやマーケティングなどのビジネス分野まで、情報が集まるイベントなんです。
21回目となる2019年のCEDECは9月4日~6日に、例年通りパシフィコ横浜で開催されます。バンダイナムコスタジオ、バンダイナムコ研究所から多くのセッションを開催し、人気ゲームに用いられた技術紹介から、未来を見据えた最新技術まで、お届けします!
CEDECはナレッジと人とのつながりを手に入れる機会!
さまざまな企業から、そうそうたる人たちが、その技術や知識を披露するCEDEC。バンダイナムコグループとしてどう臨むのか、その思いを株式会社バンダイナムコスタジオ技術開発統括本部のリードプログラマー、岩永欣仁氏にうかがいました。
「CEDECは社内で開発しているだけでは手に入らないナレッジと、興味や必要性のある技術や開発を行っている人達とのつながりが手に入る機会と捉えています。そしてCEDECの規模と質は各社や各教育機関、各ゲーム開発者達の持つナレッジのギブアンドテイクで成り立っています。今年は『エースコンバット7』と『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』という2つの大きなタイトルがリリースされたあとのCEDECであることもあり、多くのセッションをCEDECに提供できたことはバンダイナムコスタジオとして喜ばしいことだと思います」(岩永氏)
まさに業界をリードする開発者たちの技術と知識が凝縮した、貴重な機会なんですね。またそういった方々と直接コミュニケーションがとれるこの機会、逃すわけにはいきません。
「バンダイナムコグループでは、今回のCEDEC 2019では30を越えるセッションで登壇いたします。あらゆる職種をカバーしているので、その中には興味をもってもらえるセッションが必ずあるのではないかと思います」(岩永氏)
気になるそのバンダイナムコグループのセッションの全一覧はこちら! 興味があるセッションをぜひチェックしてください。
バンダイナムコグループのセッションをチェック!
■9月4日(水)
・11:20~12:20
「どんな物語にしたいか共有する~『エースコンバット7』のナラティブ制作手法〜」
登壇:鬼頭雅英、糸見功輔
・11:20~12:20
「アニメーション制作に役立つ中国武術のバトルモーション」
登壇:元梅幸司
・13:30〜14:30
「エースコンバット7 VRが実現したエースパイロット体験のひみつ」
登壇:山本治由、夛湖久治
昨今、現実世界と仮想世界を融合させたリアリティ体験をおこなう上でよく言われる、「ヘッドマウントディスプレイをかぶれば夢の世界を体験できる」あるいは、「これをすれば/この技術を使えばVR酔いはしなくなる」といった魔法の言葉から少し距離を取り、VRとしても高い評価を得ているエースコンバット7 VRモードで、開発チームのディレクターとエンジニアによる現場視点でのVR開発ノウハウに関する講演をします。
夛湖久治
・13:30〜13:55
「モバイルゲームのテスト経過を動画にしたらわかりやすくなった」
登壇:平岡忠志
・14:50〜15:50
「『空』と『物語』を演出するためのインタラクティブサウンドデザイン~エースコンバット7における楽曲と効果音実装/VRについて~」
登壇:渡辺量、中西哲一
・16:30〜17:30
「心理的安全性を高め「気づき」を尊重する生産性の高いチームを目指して ~ティール組織・マインドフルネスのチームへの導入の試み~」
登壇:深澤宏仁、片岡洋一朗
・16:30〜17:30
「パネルセッション:西洋におけるビデオゲームの開発【Video Game Development in the West: The Panel】」
登壇:ジュリアン・マーセロン
・17:50〜18:50
「エースコンバット7における”空の革新”について」
登壇:菅野昌人
・17:50〜18:50
「『ゲームのサウンド制御技術』を『インドアプレイグラウンドのサウンド演出』へ応用した事例~屋内・冒険の島ドコドコ / VS PARK(ニゲキル)のサウンド開発について~」
登壇:倉持啓伍
・18:20〜18:45
「ディープラーニングによる画像処理を実機側で高速に動かし、活用する技術」
登壇:竹村伸太郎
■09月05日(木)
・10:00〜11:00
「芯(シン)・遅延対策2020~ヒトのスペックから紐解かれる、安定性重視とフレームレートのベストプラクティス~」
登壇:森口明彦
・10:30〜10:55
「DirectX Raytracingを用いたライトベイカーの実装について」
登壇:多田航
・13:30〜14:30
「『Tales of ARISE』におけるレンダリング技術と高速化」
登壇:小林弘幸
・13:30〜14:30
「図・数式・シェーダプログラムで実現するプロジェクションマッピング ~『屋内・冒険の島 ドコドコ』の事例~」
登壇:石井源久
・13:30〜14:30
「毎週リリースするスマホ向けコンテンツにおける回帰テストの自動化と、テスト結果の可視化を含むテストワークフローの提案」
登壇:狩野真次
・14:50〜15:50
「家庭用ゲーム開発におけるゲームエディタの基礎設計と、安定かつ高速なアセット管理について」
登壇:多田航
・14:50〜15:50
「パネルセッション:西洋におけるビデオゲームのテクノロジー【Video Game Development in the West: The Panel】」
登壇:ジュリアン・マーセロン
■9月6日(金)
・11:20〜12:20
「『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』~3Dグラフィックスの絵作り」
登壇:池沢宇功、谷口幸宏、中村義朗
・11:20〜12:20
「ワークライフバランスを充実させよう!アラフィフエンジニアの皆さんに贈る地域貢献のススメ。」
登壇:志磨雅則
・11:20〜12:20
「ゲームと機械学習の最前線〜現状と未来を正しく捉えるために〜」
登壇:長谷洋平
・13:30〜14:30
「『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』~お借りしたIPをできるだけ綺麗に描くために」
登壇:岩永欣仁、鈴木雅幸
・13:30〜14:30
「ミリシタ運営術!!」
登壇:池田早人、保科一成、佐々木克
・13:30〜14:30
「BLUE PROTOCOLの個性豊かなキャラクターを動かす意思決定システム」
登壇:長谷洋平
・14:50〜15:50
「『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』~大規模開発を支えた 開発環境の整備と運用」
登壇:篠崎旭、中村彰宏、南相培
・14:50〜15:50
「現実が主役!未来のリアルワールドエンターテインメントにむけた挑戦」
登壇:本山博文、岩田永司
本セッションでは、シーグラフアジア2018でVR/AR Technology, Content Awardを受賞したPac in Townモビリティバージョン(写真)をはじめ、さまざまな先行事例の知見を共有します。注目点としては、今回CEDECの開催中に共同講演者の岩田が海外出張でオーストリアのリンツにおり、ヨーロッパと横浜をつないだ「ミックスドリアリティ講演」として、パックマンのCGのゲーム世界の中にオーストリアにいる岩田が登場して横浜で講演するという、これまで誰も見たことのない講演にチャレンジします!
“革新的なエンターテインメントを生み出す”バンダイナムコ研究所ですので、講演自体もエンターテインメントにしちゃおう!と企んでいますのでご期待ください!
本山博文
・14:50〜15:50
「沢山集まれ文殊の知恵!フォーリー収録・活用座談会」
登壇:金子智充
・16:30〜17:30
「『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』~膨大なアセットのビルド時間&容量との戦い」
登壇:中村彰宏、南相培
・17:50〜18:50
「『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』~サウンド開発における『膨大な物量vsスペシャルクォリティ』」
登壇:中鶴潤一
・17:50〜18:50
「AWS マネージドサービスによるアーケード向けログ収集基盤のサーバレス化~設計・開発から移行まで~」
登壇:青木 哲郎
セッションのほか、展示スペースでデモンストレーションを行う「インタラクティブセッション」も行っているので、ぜひチェックしてみてください。
本当にさまざまなセッションが並びますね…!
そして、編集部が個人的に「アニメーション制作に役立つ中国武術のバトルモーション」というタイトルが大変気になったのですが…どういった内容なのでしょうか?担当者に聞いてみました。
格闘ゲームやアクションゲームに欠かせない中国武術の実演と解説をします。 CEDECを通じて中国武術を習得した他社開発者の方と知り合いました。 その方に壇上で武術の実演を行ってもらい、アニメーション制作にどう活かすか共同で研究した内容を発表します。 動きのあるセッションなのでどなたでも楽しめて、楽しむだけではない実りのあるセッションにしたいと思います。
元梅 幸司
まさに、ナレッジの大集合!さすが、日本最大ゲーム開発者向けカンファレンスです。
さまざまな会社同士が多くのナレッジを伝え合う貴重な機会ですね。
また、CEDEC開催中には、技術面でゲーム開発者の功績を称える「CEDEC AWARDS」が開催されます。バンダイナムコエンターテインメントからは、ゲームデザイン部門に『DRAGONBALL FighterZ』開発チームが、またサウンド部門には『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』サウンド開発チームがノミネート! 授賞式の模様は、続報でお届けします。
ファンファーレ編集部