スマホで遊べる『ナルティメットストーム』だってばよ!中忍試験編に魅了されたドンピシャ世代のプロデューサーが語る

25周年を迎えたマンガ『NARUTO-ナルト-』(以下、『NARUTO』)。2024年9月24日、そのストーリーや忍術アクションを追体験できる3Dアクションゲーム「ナルティメットストーム」シリーズがスマートフォン版で登場します。スマートフォン版は、2009年発売の第1作『NARUTO-ナルト- ナルティメットストーム』(以下、『ナルティメットストーム』)を移植元にしており、『NARUTO』少年篇を存分に堪能できます。

そんな今作について、制作プロデューサーである黒木祐希さんに、注目してほしい世界観の再現や、スマートフォン向けに最適化したポイントなどを伺いました。

スマートフォン版『ナルティメットストーム』で遊ぶ!

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黒木 祐希

バンダイナムコエンターテインメント
NE事業部 第3プロダクション

経営企画部を経てプロダクションに異動。『NARUTO』関連のスマートフォン向けゲームアプリ運営に携わったのち、『ナルティメットストーム』スマートフォン版のプロデューサーを務める。

中忍試験編、木ノ葉崩し編……スマートフォンでよみがえる少年篇の物語

――まずは、今回配信される『ナルティメットストーム』スマートフォン版について簡単に教えてください。

黒木:「ナルティメットストーム」シリーズ自体が、『NARUTO』のストーリーや名バトルシーンを自分の手で再現して楽しめる作品です。今回のスマートフォン版は、その初代タイトル、アニメでいう少年篇のストーリーを体感できる作品になっています。

――今作で注目してほしい、アニメの再現ポイントがあれば教えてください。

黒木:木ノ葉崩し編で我愛羅とナルトが戦うシーンですね。我愛羅の尾獣が出てくるシーンは、ゲームでも尾獣のスケール感がビシビシと伝わってきます。ナルトはこんなに強大な敵に立ち向かっていったのか、と彼の勇気を感じられるんです。

我愛羅の中に宿る尾獣 守鶴(シュカク)

黒木:綱手捜索編でも口寄せの術で巨大なキャラクターが登場するので、その迫力にも注目してほしいですね。

口寄せによって現れる(左から)カツユ、マンダ、ガマブン太

黒木:あとは、中忍試験でシカマルがバトルするシーンもご紹介できればと思います。シカマルって頭脳を活かした戦術重視のイメージが強いと思うんですけど、術で影が動くとすごく怖いし、ダークな雰囲気の演出がカッコいいんです。ぜひ注目していただきたいですね。

シカマルの「影真似の術」

――3Dモデルが作り込まれているからこそ、スケール感やバトル演出は見ていて盛り上がりそうですね。

黒木:既にマンガやアニメでストーリーを知っているファンも多いと思いますが、改めて『NARUTO』の少年篇を振り返るツールとして使っていただくのもアリなんじゃないかな、と。例えばナルトと我愛羅であれば、その後の関係性を知っているからこそ、出会ったころのふたりを振り返ったときに感動する、というのも遊び方の1つになるはずです。

――家庭用ゲームソフト版で使用できた忍たちは、やはり全員使用できるのでしょうか。

黒木:もちろんです! 初代『ナルティメットストーム』ではプレーできる忍が25、サポート専用の忍は10いるんですよ。スマートフォンで、これだけリッチな映像と演出つきで25の忍のアクションが詰め込まれているのは、大きな魅力かなと思います。

――プレーできる中で、特に注目してほしい忍はいますか?

黒木:『ナルティメットストーム』らしさ、という意味では自来也ですね。どの忍も細部まで作り込まれているんですけど、自来也はアクションが特徴的なので、作中のアクションを再現している部分が目に見えて分かるかなと思います。

――今作は少年篇を扱っているということで、その時代ならではの注目ポイントはありますか?

黒木:『NARUTO』は物語を通して忍たちが年齢を重ねて成長していきます。子どものころのナルトたちを操作して懐かしさに浸れるというのは、少年篇の良さですね。ネジやキバなど、少年篇ならではの活躍を見せる忍たちの姿もしっかりと振り返ることができるので、そのあたりも楽しんでいただけるのではないかと思います。

▼少年時代を思い出せる『ナルティメットストーム』を遊ぶ

世界中のファンに『NARUTO』を追体験して遊んでほしい

――そもそも、どういった経緯でスマートフォン版の開発が決まったのでしょうか。

黒木:『NARUTO』という作品は海外のファンも多いのですが、プラットフォームを増やすことによって、より多くの人に『NARUTO』の世界を追体験して遊んでほしかったんです。そこで、普及率の高いスマートフォンに移植することで『ナルティメットストーム』をプレーできる人がもっと増えるのではないか、というのがスタートでした。

『ナルティメットストーム』スマートフォン版プロデューサー 黒木さん

――スマートフォン版への移植にあたり、どのような変更を加えていったのでしょうか。

黒木:今回は、アクションゲームというジャンル自体にハードルの高さを感じている方にも遊んでもらいやすくすることを意識しました。家庭用ゲームソフト版ではボタンの同時押しなど、人によっては複雑に感じられる操作もあったので、それを1つのボタンに統合するなどしています。

操作はシンプルにしつつも、バトル中に使える技やエフェクトは一切削っていません。また、UIでアクションや奥義の演出が隠れないよう、設定でボタンの透明度やサイズを調整できるようにしています。スマートフォンで気軽に楽しめるように、かつ元のタイトルがもっていた良さを残せるように気をつけました。

――アクションはどんなふうに遊びやすくなっているのでしょうか。

黒木:家庭用ゲームソフト版だと奥義はコマンドを入力して出していたんですけど、私は当時コマンド入力が苦手で、全然勝てなかったんですよ(笑)。今回は奥義もワンタップで出せるようにしているので、そうした操作が苦手な人でも遊びやすくなっていると思います。

また、自分の体力がゼロになっても勝つまでプレーできるリトライ機能も追加しているので、アクションが苦手な人でもストーリーを進めていただけます。今作の魅力はバトルとストーリーの2軸だと思うので、バトルが苦手な方でも物語を進められるようにしました。

普段から持ち運んでいるスマートフォンで遊べて操作もしやすいので、ちょっとした休憩時間や移動中の電車内など、隙間時間で気軽に『NARUTO』を追体験してほしいですね。

――家庭用ゲーム機の場合はスペックが決まっていますが、スマートフォンの場合は端末ごとに異なりますよね。そのあたりでも工夫はありますか?

黒木:どんな方でも遊べるように解像度などの設定ができるようにしています。もちろん、十分なスペックがあれば家庭用ゲームソフト版と同じくフルHD、30fpsで遊んでいただけます。

――最後に、今作を楽しみにしているファンへのメッセージをお願いします。

黒木:『NARUTO』自体がマンガは25周年、アニメが22周年を迎える大きな作品ですので、20代、30代の方は特に懐かしさを感じていただけるかと思います。

アニメやマンガに久しぶりに触れて懐かしいなと思った方や、隙間時間でまた『NARUTO』の世界を楽しみたいなと思った方は、ぜひ『ナルティメットストーム』でストーリーも、忍術アクションも楽しんでいただきたいです。

▼『ナルティメットストーム』をダウンロードする

【取材後記】
初代『ナルティメットストーム』がPlayStation®3で発売されたのが2009年。もう15年も前というのも衝撃ですが、その後PlayStation4やNintendo Switch™向けに移植されたバージョンがスマートフォンで問題なく動くことにも大きな驚きを覚えました。昔遊んでいた人も、高みを目指してなりふり構わず信じるがままに戦っていたFighting dreamersな日々を思い出しながらプレーされてみてはいかがでしょうか!

取材・文/村田征二朗
1989年生まれのライター。しゃれこうべ村田、垂直落下式しゃれこうべライターMなどの名でも活動し、コンシューマータイトルやスマートフォンアプリのゲーム関連記事を執筆。原稿料の8割はプロレス観戦のチケット代に消える。

©岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ
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