一億総クリエイター時代到来!?アソビ共創プラットフォーム『ASOBIZA』の魅力

バンダイナムコグループで取り組むアクセラレータープログラム「バンダイナムコアクセラレーター」。そこから生まれた共創プラットフォーム『ASOBIZA』とは、一体どのようなものなのでしょうか? 開発に携わった関係者による座談会を行いました!

「こんなアソビがあったらいいな」をカタチにする共創プラットフォーム『ASOBIZA』

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左からバンダイナムコエンターテインメント LE事業部ライツ部の宇出津和仁さん、株式会社TRINUS(トリナス)代表の佐藤真矢さん、バンダイナムコエンターテインメント 経営推進室経営企画部の岩崎覚史さん、バンダイナムコネットワークサービス ネットワークサービス部の仁木貴之さん

──まずは、『ASOBIZA』(アソビザ)が生まれるきっかけとなったアクセラレータープログラム「バンダイナムコアクセラレーター」がどのようなものなのか教えていただけますか?

岩崎:バンダイナムコアクセラレーターは、スタートアップが持っている革新的な事業アイデアやスピード感と、我々バンダイナムコグループが持っているアセットを掛け合わせることで、スピーディに新しいサービス、商品、施策といったもの、我々だけではできないようなプロジェクトを実現していくプログラムです。

昨年4月に立ち上げの発表を行い、募集は5月くらいからスタートしました。説明会や面談などを通して何社か絞り込ませていただいてから、最終的にビジネス・プランコンテストを開催し、TRINUSさんを含む6社を選ばせてもらいました。

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今年2月に行なわれた「バンダイナムコアクセラレーター 2018 『Demo Day(成果発表会)』」の様子
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「バンダイナムコアクセラレーター 2018 『Demo Day(成果発表会)』」で登壇する佐藤さん

──そのアクセラレーターから誕生した『ASOBIZA』とはどういったものなのでしょうか。

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ASOBIZA(アソビザ)のWebサイトは こちら≫≫≫

佐藤:誰もがふと思いつく、「こんなアソビがあったらいいな」というアイデアを自由に投稿できるアソビ共創フラットフォームです。投稿されたアイデアはオープンになっているので、それに対して閲覧者が評価を加えることも可能です。たとえば、ある企画に対し「ここはもっとこうした方がいいのでは?」という具合に書き込むと、それに対して投稿者が企画をブラッシュアップすることもあります。

宇出津:ブラッシュアップもできるし、もしくはそれを閲覧していたユーザーの中には、そこから別のアイデアが浮かぶ人もいるかもしれない。そうやって「アイデアの種」がどんどん増えていくことにも期待しています。

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佐藤:そうしたアイデアやコメントを踏まえた上で、バンダイナムコエンターテインメントと我々TRINUSが最終的に「事業化」するかどうかを判断し、実行していくという仕組みになっています。今回のシステム開発や運営に関しては、すでに弊社で4,000人のクリエイターが投稿するオープンプラットフォームを運営していますので、その機能やノウハウを流用するような形でまずはリリースしました。

今後、やりながらシステムに関してもどんどん改善していくつもりですが、とにかくベンチャーならではのスピード感は重視しました。その過程では随分バンダイナムコエンターテインメントに無理を言いましたが(笑)。

──今回、スタートアップと新たな取り組みをしてみていかがでしたか?

岩崎:手応えはものすごく感じました。特に驚かされたのはそのスピード感です。10月に始まり「Demo Day(成果発表会)」まで4ヶ月くらいしかなかったのですが、サービスの企画から設計、実装、フロー作り、さらには契約まわりの交渉と、弊社だったら1年以上かかってやるようなことを、わずか4ヶ月で実現させたのですから。

仁木:スタートアップという今までにない要素が加わることで、社内の人も「そういう取り組みなら」というふうに判断基準を変えて協力してくれる局面もありましたね。面白がってくれる人、こちらにノッてくれる人が現れると一気にスピード感が増す。宇出津さんもその1人でした。

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──宇出津さんは、どのようなサジェスチョンをされたのでしょうか。

宇出津:最初『ASOBIZA』で募集するアイデアを「モノ」に限定してしまいそうだったので、もう少し広く考えるように提案しました。世の中の人たちが、楽しい時間を過ごせる「何か」――。たとえばゲームでもゲーセンでもスポーツでもコンサートでもなんでもいいし、もっと言えば「時間」も「場所」も取っ払って、様々な軸で「こんなことがあったら楽しくない?」という提案が『ASOBIZA』に集まったら面白いんじゃないかと。

「アイデアは、とにかく量が必要」膨大なインプットが新しい発想を創り出す

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──アイデアがふと浮かんできて「でも、こんなの1人じゃとても実現できないよな」と思うものでも、『ASOBIZA』に投稿すればユーザーのアドバイスやバンダイナムコエンターテインメント、TRINUSの持つアセットによって実現する可能性もあるということですよね。それはとてもワクワクします。すでにプラットフォームには、いくつかアイデアが投稿されています。 

佐藤:現段階で、85件のアイデア投稿があります。(2019年4月7日現在)

岩崎:5月末が第一次締め切りで、それまでに100件は超えるのではないかと見込んでいます。

宇出津:いわゆるデジタル領域のものが、最初は多く投稿されました。最近はちょっとした宴会の小ネタみたいな(笑)、ツールも何も使わないシンプルな遊びから、既存の施設を利用したイベントのアイデアまで、幅広いアイデアが集まっています。そういう意味では、私たちの意図がちゃんと伝わっているようでありがたく思っています。

──主にどんなユーザーが投稿されていますか?

佐藤:特に多いのは、フリーのクリエイターさん。それと、企業で働いているデザイナーさんです。企業で働いているデザイナーさんでも、会社では出来ない面白いことをやりたいという人もたくさんいます。その他、学生や、主婦の方など様々な方がいます。アイデアの提案方法も様々で、かなりデザインを作りこんだ企画書を投稿される人もいらっしゃれば、アイデア一発勝負みたいに簡単なテキストだけ送ってくる人もいらっしゃいます。もちろん、そういう形でも大歓迎です。

――つまり、誰でも気軽にアイデアを投稿できるのですね。

仁木:たとえば主婦の方が、普段の生活の中で「もっとこうしたら便利なのに」という発明から新しいグッズが生まれるってよくあると思うのですが、『ASOBIZA』の発想も実は同じ。人それぞれの「生活」の中で「もっとこうしたら楽しいのに」「ここ、困っているんだよね」みたいなことの解決策としてのアイデアを、僕らは「アソビ」と呼んでいるんです。

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──そうした「アイデア」「アソビ」の重要性については、どのようにお考えですか?

宇出津:私は、いいアイデアを生むにはとにかく量が必要だと思っています。山ほどあるアイデアの中から、ほんの一握り光るものが出てくるというか。そして、そうしたアイデアは「組み合わせ」によって生まれるものなんですよね。たとえば僕らは仕事柄、ゲームのような「アソビ」のツールを開発していますが、それらはテクノロジーの進化など時代と共に大きく変化し続けてきました。しかし、根っこにあるのは普遍的なものなんです。

直近の事例をあげますと4月13日、14日にさいたまスーパーアリーナをまるまる使った「ドルアーガの謎」と言う大型謎解きイベントを実施しました。1984年に生まれた「ドルアーガの塔」と言うアクションRPGの普遍的な面白さを、「謎解き」、「リアル脱出ゲーム」と言った今の時代に受け入れられているアナログな今風のコンテンツと掛け合わせると、このような新しいアソビが生まれて来るという。

もうひとつ。この「ファンファーレ」で現在連載中の「バンダイナムコ知新」。これは中村製作所時代から今現在まで、様々なクリエイターが、どのような時代背景を元に何を考えて、その時々の新しいアソビを提供してきたかを、当時のクリエイターインタビューを通して、改めてみなさんにお伝えする企画です。たくさんのクリエイターの方、当社ファンのみなさん、学生の方などに読んでいただければと。発想の参考になるところがあると思いますよ。

──1から10まで全く新しいオリジナルでなくても良いと。

宇出津:はい、そう思います。

「アソビ」から始まる新たなコミュニティ。夢は「ASOBIZAのテーマパーク」

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宇出津:そうしたアイデアの組み合わせを、これまでは私たちが従業員や関係者だけでやってきました。そうじゃないパターンがあっても良いなと思っていたところに、今回『ASOBIZA』のような「場」が出来た。日本だけじゃなく、世界中から様々なアイデアが集まってきて、そこから新たな「アソビ」が生まれる可能性もある。それが最も大きな成果かもしれないですね。

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佐藤:アイデアによっては、クラウドファンディングをツールとして活用することも考えています。尖った企画もどんどん採用していきたいと思う一方で、それがユーザーにどの程度受け入れられるのかは未知数だったりする。内部で話し合いすぎるよりは、とにかくスピード優先で出してみて反応を聞いた方がいい場合もありますし、そんなときにクラウドファンディングはとても便利です。

仁木:企業が大きくなると、小粒だけど良質で、世の中に出していきたいアソビが出にくくなってしまうジレンマがありました。それをもっとスピーディに、小粒なものでも世に出せる仕組みが会社としても欲しかったんです。なので、こういうプラットフォームがあるのはとてもありがたい。「こんなに期待しているユーザーさんがいる案件を、やらない理由はないですよね?」と、我々もプレゼンがしやすいですし(笑)。

今までとは違う切り口で実現できる場があるのは、バンダイナムコグループ全体で見ても、メリットではないかなと思っています。

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──今後の『ASOBIZA』についてはどのような展望をお持ちですか?

佐藤:先ほど岩崎さんがおっしゃったように、5月で一旦締め切って採用するアイデアを決め、そのうちのいくつかは年内に実現させたいです。そして、ゆくゆくは、ネットだけでなくリアルな場所でも「そこへいけば楽しいことが体験できる」というような、「『ASOBIZA』のテーマパーク」を作るのが夢ですね。

宇出津:そこでアイデアがどんどん集まって、楽しいものが生まれる。かかわること自体が「嬉しい」と思えるような、そんなコミュニティができたら最高ですね! その段階までぜひとも実現させたい。

岩崎:「新しいSNS」じゃないですけど、朝起きたらまず『ASOBIZA』をチェックして、「こんなアソビが生まれてる! 楽しそう!」なんて思っていただけたり、様々な形で参加し新たな交流が生まれたりするような場になったらいいですね。

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──では最後に、バンダイナムコアクセラレーターの今後の展望についてお聞かせください。

岩崎:今後も継続していきます。2019年も新規募集が始まり、10月からプログラムがスタートして、2020年1月末に「Demo Day」を開催する予定です。今回、TRINUSさんという素晴らしいスタートアップと出会えて『ASOBIZA』が生まれました。次回もまた新たな出会いがあることを楽しみにしていますし、我々だけではできないような新しい施策へつながっていけたら嬉しいです。


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アソビ共創プラットフォーム『ASOBIZA』
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第1期アイデア投稿期間:2019年5月31日(金)まで!

【取材後記】
日常生活を送る中でふと浮かんだアイデアが、集合知によってカタチになっていく。そんな夢のような「場」を提供してくれる『ASOBIZA』。ここからどんなワクワクが生まれるのか、今後の展望が楽しみです。

取材・文/黒田隆憲
フリーライター。音楽を中心に、カルチャー全般のインタビューやライティングを手がける。『シューゲイザー・ディスクガイド』(監修)、『メロディがひらめくとき』など書籍も多数。