「Collision」は今北米で最も成長しているテクノロジーカンファレンスイベント。そんな「Collision 2020」にバンダイナムコエンターテインメントが初参加! 本記事では、2020年6月24日に宮河恭夫社長が登壇した様子をご紹介します。
今最も注目されるテックカンファレンス、「Collision」とは?
「Collision」は2014年より開催され、今年で6回目となるテクノロジーカンファレンスです。有名なテック企業や起業家など、世界のテクノロジーを牽引するキーパーソンが各企業の事業や今後の取り組みについて披露します。
例年はEnercare Centre(トロント/カナダ)で開催されていましたが、今年の「Collision 2020」は新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン開催の「Collision from Home」となり、サイト上3チャンネルでプレゼンテーションが配信される形で行われました。
「Collision 2020」の登壇者はなんと634名。参加者もスタートアップ、GAFA、世界有力ブランド、ソリューション提供企業、政府関係者などさまざまで、今年はなんと140の国と地域から32,000人以上が参加。参加者数は年々増加し、北米史上最速の成長率を誇るイベントと言われているのです。
登壇者はテック系の企業の起業家以外にも、NetflixのGreg Peters氏、AmazonのTom Taylor氏や、アパレル業界からH&MのAnna Gedda氏、さらにWHO事務局長のTedros Adhanom Ghebreyesus氏など、さまざまなシーンでのキーパーソンが対談やプレゼンを行いました。
今回はバンダイナムコエンターテインメントに「Collision」主催者から出演のオファーがあり、世界中の皆さまに知っていただくきっかけをつくるため、イベントに初参加! 宮河社長は6月24日(水)13:30~15:00(現地時間)に登壇しました。
40年間愛される『パックマン』はどうやって生まれた?
バンダイナムコエンターテインメントは、例年と異なるオンラインの開催でも参加者の皆さまに楽しんでいただけるよう、動画を使ったセッションを実施。気になるその内容の一部をご紹介します!
●Where PAC-MAN Started “永遠のスタンダードナンバー“パックマンの発想に関して
動画の冒頭では、宮河社長がご挨拶。ゲーム業界のアイコンであり、2020年に40周年を迎えたパックマンが生まれたきっかけや、コンセプト、ルーツについて語ります。
1980年に発売され「最も成功した業務用ゲーム機」としてギネスに認定されたパックマン。そんなパックマンは性別に関係なく、幅広い年代に愛されるゲームになるように企画され、シンプルで愛らしいキャラクター達は、当初から商品化を念頭に置いてデザインされたそう。
パックマンがリリースされた時代は今ほど世の中にゲームは多くなく、ゲームファン以外の多くの人たちにとってゲームは珍しかったとのこと。パックマンは普段ゲームと接していなかった人たちにとって、人生においての「My First Video Game」となり、「音楽でいうと誰でも知っている“スタンダードナンバー”の位置付けかもしれません。」と宮河社長は語りました。
アニメ、ファッション、CM……40周年を迎え、縦横無尽に拡がるパックマンの世界
ここからは、記念すべき40周年を迎えた今年のパックマン関連の企画についての紹介です。プレゼンの中で発表された企画を宮河社長のコメントと共に見ていきましょう。
●Why PAC-MAN Still Resonates 40周年のテーマは「JOIN THE PAC」。世界中の皆さまが「JOIN」したくなるような企画を実施!
1.世界で最もホットでヒッピーなファッションとポップカルチャーのイベント『コンプレックスコン』に登場!
世界最大のスニーカー・ストーリートファッションイベントである『コンプレックスコン』にもパックマンはゲーム発のカルチャーの象徴として登場しています。
宮河社長はパックマンのこのような動きについて「日本のポップカルチャー発のパックマンは、ゲームを飛び出してさまざまな意味を持ったアイコンとしても活躍しました」と語ります。
2.BMWのイメージシンボルに起用
ニューBMW 2シリーズ グランクーペとコラボして、イメージシンボルとして青いパックマンが登場しています。
パックマンがイメージシンボルとして使われることについて宮河社長は「2020年以降、ライセンスパートナー様には、歴史と新しさ、クールさと楽しさを併せ持つ象徴的な存在として、どんどんパックマンを使用していただいています」とコメント。
このCMに登場するパックマンは「GAME CHANGER」としてのメッセージ性を帯びていて、コンパクト4ドアクーペの常識を覆す! という内容になっているそう。
「パワークッキーを食べたパックマンがゴーストに追われる存在から、追う存在として『CHANGE』します。そしてさまざまな『縛り』を食べつくしてくれるパックマンの姿から、”常識や固定概念から解き放たれて自由に生きよう”というメッセージを発信しています」と、宮河社長はCMに込められた意味を語りました。
●Where PAC-MAN Going Next? 今後のパックマンについて。本流であるゲーム市場での展開
パックマンの原点である、ゲームも新作が続々とリリースされています。
『PAC-MAN LIVE STUDIO』は近日公開予定、『Minecraft』のパックマンゲームパックは発売中です。上記の2つのゲームは関しては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
セッションの中で、特に目を引いたのはマイクロソフト『ホロレンズ』を用いたパックマンです。
映像技術MR(Mixed Reality)の研究の一環として、マイクロソフト『ホロレンズ』を用いて開発。自らメイズに入りこみ、パックマンになった気分で、ゴーストに追われたり追いかけまわしたりという体験ができます。
さらに「Collision 2020」では、マイクロソフト『ホロレンズ2』に向けた技術研究を世界初公開! 宮河社長自らプレイする様子も。
『ホロレンズ2』では新たに“ハンドトラッキング”と“アイトラッキング”が可能になり、自分の手がパックマンに変身し、視線の方向にパックマンがドットを食べていく遊び方ができるそうです。
ここまでセッションの一部をご紹介いたしました。このセッションをもっと見たい! という方は、こちらにて公開していますので、ぜひご覧ください。
世界各地のメディアとの質疑応答で宮河社長が語ったパックマンのこれから
セッション動画の公開後、「Collision 2020」ではオンライン上で各地のメディアから宮河社長に対しさまざまな質問が投げかけられました。今回はその質疑応答の内容の一部もお届けします!
Q:ゲームは過去40年で大きく変わりましたが、一番驚いたことは?
宮河:一番驚いたのは、いつでもどこでもゲームができるようになったことです。昔はゲームセンターでしか遊ぶことができませんでしたが、次にテレビゲームが生まれて家庭でゲームをプレイできるようになり、今はスマートフォンやタブレットでありとあらゆる場所でゲームができるようになりました。このことが、ゲームのマーケットが広がった大きな要因だと思っています。
Q:ゲームのグラフィックが年々向上してくなかで、パックマンは今後どうなっていく?
宮河:オールドスタイルを大事にしつつも、2020年の最新のテクノロジーをパックマンにも活用していきたいと思っています。これだけネットワークが発達したので、世界中誰とでも対戦できるようすることが重要だと考えています。
Q:40年後のパックマンはどうなっていると思う?
宮河:40年後には僕はもう会社にいないと思っていますが(笑)、今後デジタルとフィジカルが融合した世界がくると思っています。そのときも変わらない姿で世界中の皆様に愛されるパックマンでいてほしいです。
今後も目が離せない!パックマンのこれから
パックマンは皆さんの生活に欠かせないエンターテインメントになりたいと考えています。
バンダイナムコエンターテインメントでは、これからも皆さまにより「JOIN」してもらえるようさまざまなエンターテインメントを提供していきます! ぜひご期待ください。
【取材後記】
今回の「Collision 2020」への参加を通して、バンダイナムコエンターテインメントではさまざまな挑戦を行いました。オンラインでの開催でも参加者の皆さまに楽しんでいただけるよう、賑やかな動画でのプレゼンテーションを、「Collision」を運営しているWEBサミット社の運営チームに逆提案して実施したこともそのひとつです。
カンファレンスのスピーカーチームプロデューサーであるLucia Gavin氏からも、「信じられないほどのスキルと遺産を強調した、非常にユニークでエンターテインメント性の高い、有益な映像を作成してくれたと感じています。放送中の出席者からのコメントは非常に好意的で、宮河氏のトークはイベント内でも好評でした。」とコメントをいただき、「Collision 2020」はバンダイナムコエンターテインメントにとって大きな転機となったイベントでした。
今回のセッションに関する取材も、経済誌Forbes、カナダのTV番組などさまざまなメディアからしていただき、世界中からのパックマン、そしてバンダイナムコエンターテインメントへの期待を感じることができました。
取材/アソビモット編集部