バンダイナムコエンターテインメントと新日本プロレスがタッグを組んで共同制作するプロレス体験バーチャルリアリティー『新日本プロレスVR』。内藤哲也選手、飯伏幸太選手に続き、新日本プロレスのエースにして、“100年に一人の逸材” 棚橋弘至選手のVRが完成しました。
憧れのプロレスラーとVR空間で闘える。『新日本プロレスVR』
老若男女が熱狂するエンターテインメント、新日本プロレス。会場や動画で試合を観戦した経験のある人は多くても、自身がリングに上がって選手と対峙した経験のある人はそうそういないはず。プロレスファンなら一度は夢見る「憧れの選手と闘う」体験ができるのが、『新日本プロレスVR』です。
これは、バンダイナムコエンターテインメントと新日本プロレスがタッグを組んで制作するプロレス体験バーチャルリアリティーで、VRゴーグルを装着するとあなた自身がプロレスラーになり、憧れの新日本プロレスの選手とリング上で闘う体験が出来る動画コンテンツです。
これまでにない、このまったく新しいプロレス体験に登場する選手は3人。第一弾内藤哲也選手、第二弾飯伏幸太選手に続き、第三弾として登場するのは新日本プロレスのエースにして、“100年に一人の逸材” 棚橋弘至選手!
今回は、棚橋選手にVR撮影の感想や、作品の見どころを聞いてきました。
初体験のVR撮影。息づかいまで感じる臨場感の舞台裏
――VRの撮影に取り組んでみていかがでしたか? VR用のカメラで撮影しながらの試合という、かなり特殊な状況になったのではと想像しますが。
棚橋:普段の試合のときも、カメラで撮られている意識は持っているんです。試合に没頭してしまうとその意識も吹き飛んでしまうんですけど(笑)。それでもエンターテインメントでもあることは常に頭には置いていて。ただ今回はVRという臨場感のためにカメラの位置がいつもとは違う場所にある。やること自体は一緒だったんですけど、より迫力を出すためにカメラに敢えて近づいたり、リングの臨場感を出すために揺らしたりもしました。それを受けながら動き続けたカメラマンさんの努力もとても大きかったと思います。
――その近さゆえの、息づかいまで感じられるような映像ですよね。
棚橋:それも意識しました。ちょっと大きく唸ったり、試合中の呼吸が聞こえてくるような感じにすればより臨場感が出るだろうとも思いましたから。普段の試合でも、余裕があるときにはカメラマンさんの方に逃げたりもしますし、カメラは意識しているんですが、今回は「カメラを意識する」ことがメイン。とことん追求しました。
――試合シーンを撮影するにあたっては、どなたか特定の相手を想定されながら取り組まれていたのでしょうか。
棚橋:はい、相手はヤングライオン(新日本プロレス所属の若手選手)の設定にしました。体格的にも僕と同じくらいの設定で。だから組んだときの視線の位置や、見える角度もそういった意識でカメラに接していましたね。
――やはり技の掛け方は、実際の試合とVRの撮影ではぜんぜん違いましたか?
棚橋:大袈裟なほどの違いはないとは思うんですが、動きがよく見えるように普段より大振りにはしました。視点が違うだけで技の見せ方は全然違うと思いますし。客席から見る技の入り方と技を掛けられるときの目線とで見え方は違ってきますし、「こうやっていたんだ」「ここの腕の入り方はこうだったんだ!」と気づきもあるかもしれないですよね。テキサスクローバーの入り方は真似しやすそうだな、と自分で見ていて感じました。でもよい子は真似しないでくださいね(笑)。
――ほかに普段とは違うことはありましたか?
棚橋:カメラが球体だったんですよ。「これで映すの!?」って驚いちゃいました。実際にどんな風に映っているんだろう、と撮る度に確認もさせてもらったんですけど、すごいですね。目の前に棚橋がいる! と僕でさえもなりましたから。
――映像をリアルにするために意識したことはありますか?
棚橋:VRの撮影で技を撮るための動きだとしても、受け身も技もいつもと同じ気合を入れること。ぐっと力を入れて臨みました。あとは棚橋がトップロープから飛んでくるところも、普段と変わらず、全力で精一杯にやっています。そうしなければ臨場感は伝わらない。せっかく棚橋とぶつかり合うことを体感できるなら、それはどこまでもリアルに近づけたいと思いました。ただリアルすぎて、迫りくる棚橋は物凄く近いですよね。コマによってはもしかして、僕のキス顔が突っ込んでくるかもしれないです(笑)。
棚橋流の「試合の魅せ方」と、プ女子必見のデートシーン!?
――今回の撮影で、プロレスに対する新たな発見などはありましたか?
棚橋:今回、球体のカメラに向けてより「魅せる」ことを意識できたことで、試合でもカメラを意識する、という感覚が高まったように感じます。
会場にいるお客さんにはカメラ位置関係なしに試合の迫力は伝わるけど、試合はカメラを通して世界中で何万人もの人が見ているものなんですよね。だから「見ている」ことは意識していたい。これがキャリアを積んでも意外と難しいんですよ。本当の意味でカメラを意識した試合ができているのはオカダ・カズチカくらい。
――そうなんですか!?
棚橋:だってレインメーカーポーズって必ずカメラが正面にある。ボディスラムの位置から考えて、どのコーナーでエルボーを落としたら正面になるかも考えられている。
――棚橋選手も同じく、常に見せ場は正面のように感じますが。
棚橋:そこはほら。棚橋はパイオニアだから(笑)。
――もうひとつ、今回のVRはユーザーが棚橋選手との距離感の近い関係である、という描写もあります。デートシーンから始まりますが、そちらの撮影はいかがでしたか?
棚橋:あれは僕からの発案だったんですけど、試合のシーンは大変だったけど、デート編ならいくらでも作れそうだなって思いましたね。各カフェとコラボしてシリーズ化してみるのはどうでしょう? とここで新たな提案をしておきます(笑)。
――デートシーンではずっと棚橋選手と目が合うので、ドキドキしてしまいました。プ女子のみなさんにとっても休日の楽しみにもなりそうなパートですよね。では最後に今回のVRを楽しみにしていらっしゃるみなさんへメッセージをお願いします。
棚橋:プロレスが好きな方はもちろん楽しめるようになっていますが、まだプロレスに触れていない方にもプロレスとVRの相性の良さ故の楽しさを感じてもらえると思います。こういった形での臨場感体験もこれから増えてくると思いますし、僕自身も試合シーンをもっと撮影したい欲が高まっています。ぜひ体感してください。……これ、キラーコンテンツになったときには僕、ミドルネームに入れようかな。棚橋・VR・弘至って(笑)。それくらい熱を入れたので、よろしくお願いします。
新日本プロレス×バンダイナムコエンターテインメントでつくるプロレスの新たな可能性
試合シーンの体験だけではなく、選手との日常のコミュニケーションまで体験できる『新日本プロレスVR』。このコンテンツが開発された経緯やユーザーの反応について、新日本プロレスリングの前田葉月さんとバンダイナムコエンターテインメントの青木裕さんにお話を伺いました。
新日本プロレスリング 前田葉月さん
今回バンダイナムコエンタ―テインメント様にご提案していただいた『新日本プロレスVR』は、実際の試合をファンの視点から360度で見渡せる、といったものではなく、VRを視聴するユーザー一人ひとりに語り掛け、「選手と対峙し、VR空間でしか実現しない体験ができる」ものであり、弊社のメイン事業である「興行」以外での選手とファンの新たなコミュニケーションツールとしての可能性を感じました。
すぐそこにいるような選手の息遣いや、体格の良さ、リング上で織り成す攻防などは、VR空間でしか体験できないものだと思います。特に女性のファンの方には、憧れの選手と対峙するリアルな空気感を楽しまれているお声を多くいただいております。
いつも会場や映像でプロレスを楽しんで頂いているプロレスファンの方に、「新日本プロレスVR」で、映像や会場とは違ったVRでしか体験できないプロレスを感じていただきたいです。
バンダイナムコエンターテインメント 青木裕さん
弊社は新日本プロレスリング様と2017年の『鉄拳7』とのコラボレーションをきっかけに、『太鼓の達人』、『ファミスタ』、『アイドルマスター』など自社が保有するさまざまなIPとの取り組みをしてきました。今回の『新日本プロレスVR』では、VR施設やVRゲーム等を数多く展開してきた弊社のノウハウをいかし、今までにない「プロレス体験」が楽しめるコンテンツを新日本プロレスリング様と組んで制作しました。
よくあるプロレスのVRでは固定されたカメラの視点からプロレスの試合を観る事が多いのですが、『新日本プロレスVR』では、対戦相手の選手にVRカメラを装着していただくことにより、ユーザー様が選手の目線で闘いを体験できるコンテンツにし、リングサイドの最前列よりももっと近くでプロレスを楽しめるという今までにない楽しみを味わう事が出来るようにしています。技が決まった時にはどれだけの迫力や破壊力か伝わると思いますし、普段の試合観戦や映像では聞き取りづらい選手の掛け声なども聞くことができるので、今までにない発見があると思います。
試合体験はもちろんですが、それ以外の楽しみとして選手とのトークやトレーニングも体験できますので、今までにない「新しい新日本プロレス体験」を是非楽しんで下さい。
『新日本プロレスVR』の楽しみ方
『新日本プロレスVR』はお手持ちのVRゴーグルやPC、スマホで視聴可能です。しかし、『新日本プロレスVR』はVR映像を視聴できるだけではありません。試合体験、選手とのコミュニケーション体験をもっとリアルにしてくれるのが、「スペシャル購入特典」!
なんと、VR映像に登場したオリジナルグッズが後日ご自宅に届きます。
『新日本プロレスVR』はアソビストアでお楽しみ下さい。
https://vc.asobistore.jp/njpw_vr/
プロレスファンも、これまでにないVR体験をしたい方もチェックしてみましょう!
【取材・文 えびさわなち】
リスアニ!、リスウフ♪を中心にアニメ、ゲーム、特撮、2.5次元の雑誌やWEBで執筆中のエンタメライター。
撮影:山﨑 美津留