『シャニマス』のアイドルたちが現実世界とリンクする!5周年に向けた制作チームの意気込み【後編】

まるで現実世界のアイドルたちと同じように、「実在感」のある存在として活躍をしている『シャニマス』のアイドルたち。後編では、森永製菓さまとのタイアップ企画や全国7都市への屋外広告など、さまざまな取り組みの裏側に迫ります。最後には2023年4月に迎える5周年に向けて動いている制作チームの意気込みを伺っています!

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藤原 杏菜

バンダイナムコエンターテインメント
第3IP事業ディビジョン765プロダクション

『シャニマス』のマーケティング担当。入社後欧米向けゲームアプリのマーケティングを経て、2020年に『アイドルマスター』チームに異動し、マーケティングを担当。

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吉川 純生

バンダイナムコエンターテインメント
第3IP事業ディビジョン765プロダクション

『シャニマス』の運営・制作担当。入社後『アイドルマスター』シリーズのイベントを3年ほど担当したのち、2019年に『アイドルマスター』のゲームチームに異動し、ゲームの運営・制作を担当。

現実世界も活躍の舞台に。マーケティングチームと『シャニマス』のアイドルたち

――前編では配信企画「283プロ見守りカメラ」を中心に『シャニマス』のアイドルたちの「実在感」へのこだわりを伺いました。この「実在感」はさまざまな施策で大切にされているものだと思いますが、お2人が印象的だったものはありますか?

藤原:直近だと、ライセンスチーム (※1) が取り組んでいたDARSとのコラボは印象的だったかな、と思っています。アイドルがこの世界で森永製菓さまの製品のアンバサダーとして活躍するという意味でも、実在感という言葉がぴったりな施策でした。本施策の盛り上げをマーケ側でも少しお手伝いさせていただいたのですが、Twitter上で森永製菓さまのアカウントと園田智代子(そのだ ちよこ)がやりとりして、智代子の誕生日に森永製菓さんからチョコのプレゼントをいただくなど、プロデューサーさんたちにもアイドルの活動をリアルに感じていただけたのかな、と思っています。

※1 『アイドルマスター』のライセンス窓口としてプロダクションとの打ち合わせや方針決め、商品化などライセンスにおける、企画・営業・監修を担当するチーム

――アイドルたちが身近な商品のアンバサダーを務める機会は、まさにアイドルたちと現実世界とのリンクを感じさせる瞬間ですね。

藤原:智代子は自らを「チョコアイドル」と名乗っていて、その点に着目してアンバサダーとして起用いただけました。また、本タイアップ企画の屋外広告が田町駅に出るタイミングで、実際にその広告を智代子が見に行き、自撮りしている様子をTwitterにアップさせていただきました。アイドルたちへ貴重な機会をいただけて、森永製菓さまには本当に感謝しています。

プロデューサー藤原さん

――アイドルたちに活動してもらう際に、大切にしていることはありますか?

藤原:もともと『シャニマス』では、各セクションの担当がそれぞれに実在感をかなり意識しています。ゲームのキャラクターではなく、あくまで「283プロのアイドル」として、どう世の中に広めていくか、どうプロデューサーさんに活躍を見てもらうかを第一に考えています。

Twitterの施策の場合は、ゲームとはまた別の場所で生まれるシナリオですが、ゲーム開発チームの力も借りながら、「このアイドルだったら絵文字を多用するだろうな」「この子は句読点をつけないだろうな」と、それぞれの個性が伝わるように意識しています。

吉川:Twitterは外向きのアイドルとしての顔が見られる場所なので「プロデューサーにしか見せない内面はそこでは見せない」など、出ていく場所によっても見える表情は変わるかもしれませんね。

プロデューサー吉川さん

『シャニマス』の役割のひとつは、プロデューサーさんたちをつなげること

――一方、吉川さんはどんな企画が印象的でしたか?

吉川:2021~2022年の年末年始に行なったシナリオ「#283をひろげよう」が印象的でした。これは283プロのメンバーたちがもっと飛躍していくために、アイドルたち自身で企画を考えていく様子を描いたものです。『シャニマス』の世界にあるSNS「ツイスタ」でリプライを返していきましょう、という企画がシナリオ内で描かれて、それを実際に『シャニマス』の公式Twitterと連携する形で実施しました。

Twitterでのリプライを通じて、「アイドルたちが実際にファンと交流する時にはどういう対応をするのか」という一面を楽しんでもらいたいと思っていました。シナリオチームも本当にがんばってくださって、Twitterで投稿されたリプライに対して、リアルタイムにアイドルたちがリプライを返すことができました。個人的にも、今までのTwitterでの施策とはまた違った魅力を感じていただけたのかな、と思っています。

――アイドルたちがリアルタイムでリプライを返してくれるのは、プロデューサーさんにとってもうれしいことですよね。

吉川:話題になった桑山千雪(くわやま ちゆき)の「まだあけてないよって方、はーい、桑山千雪がこじあけちゃうぞ♪」などもそうですが、「このアイドルってこんなこと言うんだ!」という意外性のようなものも含めて楽しんでいただけていたらうれしいです。

――ほかにも実在感を感じられる施策として、2022年4月に全国7都市で掲載された屋外広告について聞かせてください。この広告はユニットごとに掲載地域が決まっていて、全部の広告の文字を合わせると「ひとつの空、輝くCOLORS」という、ゲーム内のアイテムをもらえる合言葉になることも話題でした。これはどんなふうに実現したものだったのでしょうか?

藤原:全国7都市の屋外広告に関しては、アイドルたちの現在の魅力を伝えるために、ゲームとしての広告を打つのではなくアイドル自体の広告として企画しました。自分が普段使っている電車や暮らしている街などに、好きなアイドルの広告があるとうれしい気持ちになりますよね。そういった体験を、実在感をもたせながら提供したいという気持ちで、ゲームとしての広告ではなく、あくまでこの世界で活躍しているアイドルたちの広告というような見せ方をしています。

プロデューサーふたり

7都市あるので、地域によってプロデューサーさんが見られる広告が違っていましたが、全国のプロデューサーさんをつなぎたいという思いもあったので、各地の広告にそれぞれ文字を仕込み、それをプロデューサーさんがSNSにシェアしてくれた時にひとつの言葉ができあがるような、プロデューサーさんたちの輪が広がるようなものを目指して企画していきました。

シャニマスの広告
全国7都市で掲載された屋外広告を合わせると1つの画像となる
※キャンペーンは掲載当時のものとなります。

――全国のプロデューサーさんたちのつながりにテーマを置いた広告だったのですね。

藤原:「広告を出して終わり」という形にはしたくないと思っていましたし、広告を見たプロデューサーさんたちが、同僚のプロデューサーさんと何か話すきっかけになったり、一緒に熱量を上げていったりできる要素を入れたいと考えた結果、あの形になっていきました。

一方で、新宿駅構内に掲載された長さのある巨大広告に関しては、4周年のテーマである「過去、現在、未来」を表現するために、それまでのアイドルたちの歩みや『シャニマス』の4年間を詰め込んだものになりました。

アイドルがいて、プロデューサーさんがいるから作品が羽ばたける

――直近ですと、イラストコンテストなど、プロデューサーさんたちとの相互的な交流が楽しめる施策もされていましたね。

吉川:イラストコンテストは、これまで『シャニマス』を楽しんでくれている皆さまが、本当に愛を込めてアイドルたちのイラストを描いてくださっているのを拝見しているなかで、「プロデューサーさん同士がつながって、愛のある作品をシェアし合う後押しができれば」という思いから企画しました。

すでにあるコミュニティに公式がお邪魔するという意味でもいろいろと配慮しつつではあったのですが、ハッシュタグに多くの投稿をいただき本当に感謝しています。実際、『シャニマス』チーム内でもハッシュタグを眺めながら、「今日はこんな作品出てたよ!」などシェアしあって、忙しい期間ではあったのですが我々の楽しみにもなっていました。本当に愛に溢れた作品ばかりでうれしかったですし、また次回も受け入れていただけるようであればどこかで開催したいなと思っています。

プロデューサー吉川さん

――『アイドルマスター』シリーズは、開発・運営とファンいう関係性ではなく、フラットな相互関係があるように感じます。

藤原:そうですね。こちらから一方的に何かを提供するということではなくて、「アイドルたちがいて、プロデューサーさんたちがいるからこそ作品自体がより大きく羽ばたける」と思っています。

――『シャニマス』は2023年に5周年を迎えます。すでにライブやベストアルバムの発売なども発表されていますが、今後の展開についてお聞かせください。

吉川:具体的な企画については先日発表した「Road to 5th Anniversary」での発表や、今後の発表を待っていただけるとうれしいのですが、未来に向けたワクワク感を提供したい、という思いでさまざまな企画を用意してきますので、これからも楽しみにしていただけたらと思います。

藤原:5周年は大きな節目です。マーケティングチームとしては、多くの方々のプロデュース成果や283プロのアイドルたちの5年の成果を、ゲームの世界を飛び越えて伝えていきたいという気持ちで進んでいきます。新しいことにもどんどん挑戦していきますので、もしかしたら、プロデューサーさんがびっくりするものもあるかもしれません。その辺りも含めて、温かく見守っていただけるとうれしいです。

プロデューサーふたり

――最後に、プロデューサーさんに向けてメッセージをお願いします!

藤原:いつも283プロのアイドルたちをプロデュースしていただいて本当にありがとうございます。私たちマーケティング担当は、ゲームはもちろんのこと、それ以外の場所でもアイドルたちの活躍を楽しんでいただけるように日々チーム一丸となって動いているところです。節目の年である5周年に向けて、「プロデュースしていて良かった」と思っていただけるようなかたちにしていけたらと思っています。引き続きよろしくお願いします!

吉川:5周年を迎えるということは、『シャニマス』は徐々に、長く愛していただけるような作品になってきているということでもあると思っています。プロデューサーさんに感謝をしつつ、これからもワクワクしていけるような展開を一緒に作っていけたらうれしく思っていますので、これからもプロデュースのほど、よろしくお願いします。

前編では、『シャニマス』の4.5周年を記念した生配信企画「283プロ見守りカメラ」の裏側や制作チームの思いを深堀りしました。

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【編集後記】
前後編を通して印象的だったのは、アイドルたちやプロデューサーさんたちとともにワクワクできる未来を目指したい、という制作チームの思いでした。『シャニマス』はいよいよ2023年に5周年を迎えます。MR技術を用いたライブなど新たな見せ方が増えていくなかで、どういったものを我々に届けてくれるのでしょうか。今後の展開もますます楽しみです!

取材・文/杉山 仁
フリーのライター/編集者。おとめ座B型。三度の飯よりエンターテインメントが好き。

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