「アイドルマスター」アニメイヤーがついに開幕!『U149』×『ミリオン』×『シャニマス』のアニメ化で「アイマス」はさらなる飛躍へ!【前編】【アイマスフューチャー連載① 狭間×冨田】

2023年~2024年は、「アイドルマスター」シリーズの新作アニメ3作品が放送される、「アイマス」アニメイヤー! 『U149』『ミリアニ』『シャニアニ』――3作品それぞれのアニメ製作の裏側や製作陣の思いに迫ります!

「アイマスフューチャー連載」とは?
2023年以降の「アイドルマスター」シリーズを、アニメ/ゲーム/イベントなどの担当者が語る全3回のインタビュー。第1弾となる今回は、765プロで「アイマス」シリーズアニメ&マーケティング統括を務める狭間和歌子さんと、「アイマス」シリーズアニメプロデューサーを務める冨田功一郎さんが「アイマス」シリーズのアニメ化について語ります。

「アイドルマスター」シリーズ(以下、「アイマス」)は、2023年~2024年にかけて、3作品の新作アニメを公開します。

ひとつは、2023年4月より放送がスタートした、『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』(以下、『U149』)。そして10月には『アイドルマスター ミリオンライブ!』(以下、『ミリアニ』)、さらに2024年春には『アイドルマスター シャイニーカラーズ』(以下、『シャニアニ』)の放送を控えています。

『U149』『ミリアニ』『シャニアニ』のキービジュアル
左から順番に、『U149』『ミリアニ』『シャニアニ』のキービジュアル

つまり2023年~2024年は、「アイマス」シリーズ3ブランドの新作アニメが相次いで放送される、「アイマス」アニメイヤー!

そこで今回は、「アイマス」シリーズアニメ製作の裏側に迫るべく、765プロダクションにて「アイマス」シリーズアニメ&マーケティング統括を務める狭間さんと、アニメのプロデューサーを務める冨田さんに、3作品のアニメ展開にかける思いなどをお伺いしました。

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狭間 和歌子

バンダイナムコエンターテインメント
「アイドルマスター」シリーズアニメ&マーケティング統括
『ミリオンライブ!』プロデューサー

リリース当初からスマートフォン向けゲームアプリ(以下、ゲームアプリ)『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』のプロデューサーを担当。現在は『ミリオンライブ!』のプロデューサー務めるとともに、「アイマス」シリーズアニメ&マーケティング統括も兼任。

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冨田 功一郎

バンダイナムコエンターテインメント
「アイドルマスター」シリーズアニメプロデューサー

バンダイビジュアル(現・バンダイナムコフィルムワークス)にて、テレビアニメ『ゴッドイーター』や『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』などのプロデューサーを経験したのち、バンダイナムコエンターテインメントに転籍。2022年より「アイマス」シリーズアニメ事業のプロデューサーを務める。

パッケージひとつとってもチャレンジを絶やさない「アイマス」

――はじめに、おふたりの経歴と、現在の担当業務を教えてください。

狭間:バンダイナムコエンターテインメントに入社してから約10年間、家庭用ゲームの営業職を務めてきました。

その後、「テイルズ オブ」シリーズや「ゴッドイーター」シリーズのゲームアプリのプロデューサーを経験し、2017年にリリースしたゲームアプリ、『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』(以下、『ミリシタ』)では、リリース時からプロデューサーを担当しています。

現在も引き続き『ミリオンライブ!』のプロデューサーを務めつつ、2022年から社内に新設された、「アイマス」シリーズのマーケティングおよびアニメ事業を担うチームの統括を兼任することになりました。

「アイドルマスター」シリーズアニメ&マーケティング統括の狭間さん
「アイドルマスター」シリーズアニメ&マーケティング統括の狭間さん

冨田:私は、バンダイナムコグループ内の映像部門だった当時のバンダイビジュアル(現・バンダイナムコフィルムワークス)に入社し、そこでアニメのDVDやブルーレイディスクなどのパッケージを中心としたアニメプロデュース業務に10年ほど携わったのち、バンダイナムコエンターテインメントに転籍しました。

バンダイビジュアル時代は、テレビアニメ『ゴッドイーター』や『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』のプロデューサーも務めており、現所属になってからも『ニンジャボックス』や『スカーレットネクサス』などのアニメ製作に携わりました。

2022年からは、社内に新設された「アイマス」シリーズのアニメ事業を担当するチームにてプロデューサーを担当しています。

「アイマス」シリーズアニメプロデューサーの冨田さん
「アイマス」シリーズアニメプロデューサーの冨田さん

――「アイマス」関連のインタビューにおいて顔出しが初となる冨田さんですが、「アイマス」についてはどんな印象をもっていましたか?

冨田:「アイマス」には自然と出会っていた印象です。最初の出会いは、2000年代後半に動画サイトで流行していたMAD動画でした。それが実は「アイマス」シリーズの楽曲『エージェント夜を往く』だったことがわかり、楽しんでいたコンテンツが「アイマス」とつながっていた、と記憶しています。

それと、ソーシャルゲーム『アイドルマスター シンデレラガールズ』を日課のようにプレーしていたのも思い出のひとつです。2014年の劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』公開当時は、アニメ情報誌『月刊ニュータイプ』の表紙を飾った天海春香のイラストに、いちアニメファンとして思わず息を呑みました……。

また、アニメのパッケージ事業に携わってきた身として印象に残っているのは、テレビアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』の放送に先駆けて発売された、『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS-ANIMATION FIRST SET-』という商品です。

当時のブルーレイディスクのパッケージとしては斬新な縦長のレイアウトに衝撃を受けて、「アイマスってこんなチャレンジもするんだ、おもしろいな!」と感じた覚えがあります。

『U149×『ミリアニ×シャニアニ――みんなまとめて「アニマス」として楽しんでほしい

――現在放送中の『U149を含め、2023年〜2024年にかけて「アイマス」シリーズのアニメ3作品を公開することになった経緯を教えてください。

狭間:私たちは2022年12月に、「アイマス」の新事業戦略「PROJECT IM@S 3.0 VISION(サードビジョン)」を発表しました。この新たなビジョンを軸に、「アイマス」というIP(※1)をさらに成長させていくためには、より多くの方にプロデューサーさん(※2)になっていただきたいと考えています。

※1 IP:Intellectual Property の略で、キャラクターなどの知的財産のこと
※2 プロデューサーさん:「アイマス」シリーズのファンのこと

そのため、各ブランドの魅力、そしてそこに存在するアイドル一人ひとりの魅力を、さらに深めていくことが必要不可欠だと思っています。

「アイマス」はゲームを原点として始まったコンテンツですが、長きにわたりプロデューサーの皆さんが支えてくださったことで、2007年に放送した『アイドルマスター XENOGLOSSIA』に始まり、『アイドルマスター』『アイドルマスター シンデレラガールズ』『アイドルマスター SideM』といったテレビアニメシリーズを展開することができました。その結果、より多くのプロデューサーさんに支持していただけるようになったという歴史があります。

私自身も、ゲームはゲーム、アニメはアニメで、それぞれに良さがあり、各々が異なる魅力を表現できると感じているんですね。だから、ゲームとアニメをメディアミックス展開することにより、アイドル一人ひとりの魅力をさらに深めることができると考えています。

そうした思いから、このたび『U149』『ミリアニ』『シャニアニ』を製作・放送することになりました。これら3作品が、2025年に控える「アイマス」20周年という節目に向けた、さらなる成長のための重要な一歩になってほしいとの思いも込めて――私たちは、この3作品を「アニマス」と銘打って皆さまにお届けします。

「アイマス」シリーズアニメ&マーケティング統括を務める狭間さんと、アニメのプロデューサーを務める冨田さん

――『U149』『ミリアニ』『シャニアニ』、これら3作品の総称として、「アニマス」というキーワードを掲げていくわけですね。

狭間:はい。3作品をまとめて「アニマス」と表現する理由は、ひとえに、できるだけ多くの方に3作品すべてを楽しんでもらいたい、という思いからです。

どの作品も「アイマス」シリーズから枝分かれしたブランドのアニメでありつつ、それぞれが異なる魅力をもっています。プロデューサーの皆さんは、きっと各々でお気に入りのブランドがあるとは思うのですが、ぜひこの機会に3作品すべてを味わっていただきたいなと思っています。

「すべてを楽しんでもらいたい」とお願いする手前、もちろん私たちとしても、それぞれの作品の良さや、アイドルの魅力を、さらに幅広く表現していく覚悟で臨んでいます。

私たちが所属する第3IP事業ディビジョン 765プロダクションは、「アイマス」に関するゲーム制作やマーケティングなどが集約された部署なのですが、2022年より、その765プロダクション内にアニメ事業を担うチームを新設したうえで、「アニマス」プロジェクトに取り組んでいます。それによって意思決定が円滑になりますし、前例のないチャレンジングな企画も実現しやすくなります。

――『ミリアニ』や『シャニアニ』では、テレビ放送に先駆けて全国各地の映画館にて全話の先行上映会を実施するとのことですが、その経緯や狙いを教えてください。

『ミリアニ』の映画館先行上映のビジュアル

冨田:私が「アニマス」をプロデュースさせていただくうえでの最大の目標は、プロデューサーさんになってくれる新たなファンを増やすことだと思っています。しかし、毎シーズン多数のアニメが放送されている昨今、単にテレビ放送やネット配信をしただけでは興味をもってもらうことは難しく、それだけでは「アイマス」に触れたことのない方を巻き込んで、「アニマス」を楽しんでもらうための接点が不足してしまう危機感をもっていました。

そこで、アイマス」ならではの”プロデューサーの皆さんの熱量の高さ”と、映画館での視聴体験価値に着目しました。まずは既存のプロデューサーさんたちに、例えばライブと同じような感覚で”同僚(※3)”と一緒に足を運んでいただき、映画館という特別な環境でアニメを楽しんでいただきたいと考えたんです。

※3 同僚:「アイマス」シリーズのファン仲間のこと

先行上映会で、ひとりでも多くのプロデューサーさんに、「見てよかった、参加してよかった!」と思っていただくことができれば、きっと「アニマス」のことを広めてくださると思うんです。そんなプロデューサーの皆さんの発信をきっかけにして、まだ「アイマス」に触れたことのない人が、「映画館に行ってみようかな」「テレビ放送されたら見てみようかな」と思ってくれたらうれしいですね。

映画館で見たあとに、テレビ放送ではSNSなどで実況しながらもう一度見たり、友達におすすめして一緒に語ったり……さまざまな楽しみ方が生まれるはずです。

プロデューサーの皆さんに楽しんでもらえるかどうかを第一に考えた時に、重要なのは“思い出に残るアニメ視聴体験”だと思ったんです。特別な体験として心に残ってほしいですし、そうなるように“プロデュース体験ができる機会を増やしたい”と。

そのように感じたことも全話先行上映に踏み切った理由のひとつです。あとは、できるだけ多くのプロデューサーさんに視聴機会をご用意したかったので、“47都道府県での上映”は社内で言い続けていましたね。

アニメだからこそ表現できるアイドルの魅力とは? 3Dアニメ製作におけるこだわりは!? インタビュー後編はこちら↓

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【取材後記】
今このタイミングでアニメイヤーを展開するのも、先行上映会という斬新な取り組みを実施するのも、すべては来たる20周年を見据えて「アイマス」がさらなる成長を目指すからこそ! 後編では、狭間さん、冨田さんのおふたりに、ゲームとはひと味違ったアイドルの姿を表現できる“アニメならでは”の魅力や、テレビ放送を控える『ミリアニ』と『シャニアニ』の注目ポイントなどを語っていただきます!

©窪岡俊之 THE IDOLM@STER™& ©Bandai Namco Entertainment Inc.
©Bandai Namco Entertainment Inc. / PROJECT U149