『鉄拳8』について、世界最大の格闘ゲーム大会「EVO 2024」の3日間にわたる激闘をレポート!『鉄拳8』追加キャラクター「三島平八」発表&「TWT2024」世界決勝の日本初上陸にも沸いた!【後編】

世界最大の格闘ゲーム大会「EVO 2024」、『鉄拳8』部門の模様を現地よりレポート。後編では、第3弾ダウンロードコンテンツ追加キャラクター「三島平八」の発表、「Tekken World Tour」決勝戦の日本初上陸など、大会3日目に発表された最新情報もまとめてお届けします。

アメリカ・ラスベガスにて、現地時間7月19日(金)~21日(日)にわたり開催された世界最大規模の格闘ゲーム大会「Evolution Championship Series 2024」(以下、「EVO 2024」)。本大会において、『鉄拳8』がメイン種目に選出されました。

「EVO 2024」の『鉄拳8』部門には、世界各国から総勢約4,650人(※1)ものエントリーが集まり、過去最大規模のトーナメントによって世界チャンピオンの座が争われることに。

※1:「EVO 2024」公式アナウンスより。

レポート後編では、『鉄拳8』部門トーナメントの模様をダイジェストでお送りするとともに、第3弾追加ダウンロードコンテンツキャラクター「三島平八」の登場や、「Tekken World Tour(以下、「TWT」)2024 Global Finals」の開催地が東京に決定したことなど、大会3日目に発表した『鉄拳8』の最新情報をまとめてお届けします。

最終日の特設アリーナで『鉄拳8』最新情報を発表! 会場のボルテージは最高潮に

「EVO 2024」の最終日に当たる3日目。会場となったラスベガス・コンベンション・センター ウエストホールでは、初日~2日目にかけて使用したホールに隣接する特設アリーナがオープン。こちらにて、メイン種目のうち『鉄拳8』部門を含む4部門の決勝トーナメントが実施されることに。

『鉄拳8』部門の決勝トーナメント開始直前には、『鉄拳』シリーズ チーフプロデューサー/エグゼクティブゲームディレクターを務める原田勝弘と、『鉄拳8』プロデューサーのマイケル・ムレイが登壇。

2024年秋ごろに登場予定となる第3弾追加ダウンロードコンテンツキャラクターに関する最新情報、「TWT2024 Global Finals」の詳細を発表し、超満員となったアリーナの観客たちを大いに盛り上げました。

第3弾追加ダウンロードコンテンツキャラクター「三島平八」が今秋ごろ登場!

『鉄拳8』の第3弾追加ダウンロードコンテンツキャラクターとして「三島平八」の登場を発表。実装時期は2024年秋ごろを予定しています。

「三島平八」のティザートレーラーはこちら

前作『鉄拳7』では、壮絶な戦いの末に息子である三島一八に敗れ去った平八。そんな彼がいかにして復活を遂げたかが語られるストーリーの追加チャプターも、平八の参戦と同時期に配信予定の無料大型アップデート内で実装予定です。

今回の発表に際して場内のスクリーンにPVが映し出されると、新キャラクターの発表を心待ちにしていたファンの方々からざわめきが。

その後、徐々に全容が明らかになっていくなかで、映像内に登場する面をつけた謎の人物が「剛掌波」や「雷神拳」と思しきおなじみの技を放つと、多くの観客が勘付きはじめた様子。技が炸裂するタイミングでつぎつぎと歓声が上がりました。

そして映像終盤、印象的な口ひげがアップで映された瞬間には、「三島平八」の“復活”を確信した多くのファンから会場を揺るがすような大歓声が。発表直後の場内では、ファンの方々が飛び上がって喜んだり、隣の人と抱き合ってお互いの背中を叩き合ったりするような姿も見られました。

「TWT2024 Global Finals」の決勝トーナメントが東京・渋谷で開催決定!

公式大会「TWT2024」における決勝大会、「TWT2024 Global Finals」の開催日が、2024年12月5日(木)~8日(日)に決定。

最終予選を行う7日(土)と、トップ16決勝トーナメントを行う8日(日)の会場は、日本の東京・渋谷にある「ベルサール渋谷ファースト」を予定していることを発表しました。

「TWT Global Finals」史上初の日本開催ということで、「TWT2024 Global Finals」の告知映像を見守ったファンは驚きを隠せなかった様子。会場は大きな拍手に包まれました。

■「TEKKEN World Tour(TWT)」とは

2017年から毎年開催されている『鉄拳』シリーズのeスポーツシーンで最も権威のあるトーナメントサーキット。世界各地の対戦格闘ゲームコミュニティが開催するトーナメントを通じて、全世界のプレーヤーがランキングポイントを競い合い、その年の世界最強プレーヤーを決定します。2024年シーズンは『鉄拳8』として初の開催となります。
「EVO 2024」は、「TWT」の中でも最大のポイント数を獲得できる大会「Master+」にカテゴリされています。

総エントリー数約4,650人の頂点に立つのは!? 『鉄拳8』部門の3日間にわたる激闘をお届け!

「EVO 2024」の『鉄拳8』部門は、公式大会「TWT2024」において「Master+」カテゴリに設定されており、ここで上位入賞を果たせば、世界決勝「TWT2024 Global Finals」に進出するためのランキングポイントを大量に獲得できるという点でも注目を集めました。

ここからは、大会初日~2日目にかけて行われた予選トーナメントと、3日目の決勝トーナメント(トップ6)の模様を、日本人選手たちの活躍を中心にダイジェストでお届けします。

■「EVO 2024」・『鉄拳8』部門大会ルール

「EVO 2024」の『鉄拳8』部門トーナメントではダブルエリミネーション方式を採用。予選から決勝トーナメントに至るまで、全プレーヤーは1敗した時点でルーザーズ(敗者側)トーナメントへと移行し、ルーザーズトーナメントで再度敗北した時点でトーナメント敗退となります。

予選トーナメントの各試合は、3ラウンド先取制の対戦を1セットとし、先に2セット取得したほうのプレーヤーが勝者となります。ステージ選択は毎試合ランダム。各試合での使用キャラクター変更は、前の試合で負けた側のプレーヤーにのみ認められます。

1日目:予選トーナメント1回戦~トップ1,024 日本人選手たちが存在感を放つ!

初日の『鉄拳8』部門では、予選トーナメント1回戦~トップ1,024までが進行。現地時間10時にオープンした会場内には、全世界の『鉄拳8』プレーヤーが続々と集結していました。

日本から遠く離れたラスベガスの地での開催ということで、総エントリー数に占める日本人選手の割合はわずかながらも、あちらこちらの対戦台で存在感を放っていた印象。有力日本人選手の多くが順当に初日の予選トーナメントを突破し、2日目へと進出しました。

対戦に臨む日本人プロ・TeamYAMASA所属のユウ選手(写真右)と、後ろから見守るTHY所属のチクリン選手(写真左)

2日目:予選トーナメント・トップ1,024~トップ6 海外の強豪選手を相手にしのぎを削る!

大会2日目は、予選トーナメントのトップ1,024~トップ6を実施。1日目終了時点で、すでに総参加者の4分の1が敗退したことになりますが、本日はここから決勝トーナメントへと進出する6名を決める熾烈な戦いが繰り広げられました。

ProGamersWorld(PGW)所属の神園選手は、1回戦で海外の強豪プレーヤーに惜敗するも、その後のルーザーズトーナメントで連勝。格闘ゲーム大会で実況解説を担当するeスポーツキャスターとしても活躍中の同選手ですが、3D対戦格闘ゲームへの理解度の高さを武器に勝ち進んでいきます。

さまざまな格闘ゲームのプレー経験があり、いずれもトップクラスの実力を持つ神園選手(写真右)

ZETA DIVISION所属のケイスケ選手は、自身の2日目初戦をいきなりステージ(※2)で戦うことに。「三島一八」の使い手として世界トップクラスの実力を誇り、直近の大会での大活躍もあって海外ファンからの人気も急上昇中。観客席からは、ケイスケ選手が操る一八の一挙手一投足に歓声が上がっていました。

ステージにて、大観衆の前で試合に臨むケイスケ選手(写真右)

※2 ステージ:通常、「EVO」における予選の試合は会場内各所の対戦台で進行するが、注目選手同士の対決はステージに移動して実施される場合がある。

「(今日の)コンディションはすごく良い」と試合前に語ってくださったのは、TeamYAMASA所属のタケ。選手です。過酷なトーナメントシーンを戦ううえで心がけていることについては、「あらかじめ自分と当たる可能性のある選手を確認し、動きやクセをよく観察しておくこと」とのこと。同選手は午前中に実施された試合に全勝し、午後から行われるトップ196トーナメントに駒を進めました。

笑顔でインタビューに応じてくれたタケ。選手

さらに、タケ。選手のチームメイトである、TeamYAMASA所属のノビ選手、ユウ選手も躍動。ノビ選手はウィナーズ側から、ユウ選手はルーザーズ側から、それぞれトップ48トーナメントに進出しました。

試合前に指をほぐすユウ選手(写真左)

最終的に、日本人選手の中から3日目の決勝トーナメント進出を決めたのは、ケイスケ選手(ウィナーズ)と、ノビ選手(ルーザーズ)の2名となりました。

3日目:決勝トーナメント・トップ6 「EVO 2024」チャンピオンはArslan Ash選手!

2日間にわたる予選トーナメントを経て、3日目の決勝トーナメントに進出した選手は、以下の6名に決まりました。

【ウィナーズトーナメント】
・ZETA DIVISION|ケイスケ選手(日本)
・Falcons|ATIF選手(パキスタン)
・TM/RB|Arslan Ash選手(パキスタン)
・Dragons|Raef選手(サウジアラビア)

【ルーザーズトーナメント】
・TeamYAMASA|ノビ選手(日本)
・KDF|ULSAN選手(韓国)

※“|”の前は所属チーム名、またはスポンサー名。

■「EVO 2024」・『鉄拳8』部門決勝トーナメント大会ルール

決勝トーナメントベスト4までの各試合は、3ラウンド先取制の対戦を1セットとし、先に2セット取得したプレーヤーが勝者となります。ウィナーズファイナル(勝者側トーナメントの決勝戦)、ルーザーズファイナル(敗者側トーナメントの決勝戦)、グランドファイナル(ウィナーズファイナルの勝者とルーザーズファイナルの勝者が対戦する優勝決定戦)のみ、3セット先取制で行われます。

グランドファイナルは最大で2試合行われ、ウィナーズ側のプレーヤーは3セット先取制の試合に1回でも勝利した時点で優勝が決定。ルーザーズ側のプレーヤーは、3セット先取制の試合を2連勝した時点で優勝となります。

大会最終日の初戦を飾ったのは、無敗でトップ6に進出した日本人のケイスケ選手と、パキスタンの強豪プレーヤーATIF選手によるウィナーズ準決勝。ケイスケ選手は惜しくも敗北し、ルーザーズトーナメントからの勝ち上がりに望みをつなぐこととなります。

左から、ケイスケ選手、ATIF選手

迎えたルーザーズ準々決勝・第1試合にて、ケイスケ選手は、トップ6に残った唯一の韓国人選手であるULSAN選手との試合で、一進一退の攻防を繰り広げることに。

セットカウント1-1で迎えた第3セットの開幕直前、ULSAN選手はスマホのカメラで会場をパシャリ。唐突な“記念撮影”に会場からは笑いも起き、これで波に乗ったのか試合は一気にULSAN選手のペースに。ケイスケ選手も必死の抵抗を見せますが、一歩及ばず。ULSAN選手の勝利となりました。

左から、ケイスケ選手、ULSAN選手

惜しまれながらもトーナメント敗退となったケイスケ選手ですが、試合中には絶えず「Keisuke! Keisuke!」とのコールが飛び交っており、試合後には「I love you, Keisuke!!」と叫ぶファンの姿も。世界中のファンからの応援を背に受けるケイスケ選手の活躍には、引き続き注目していきたいところです。

一方、ルーザーズ側から上位進出を目指すノビ選手は、ルーザーズ準々決勝を圧倒的な内容で快勝し、ルーザーズ準決勝ではケイスケ選手を破ったULSAN選手にも勝利。試合後には鋭い眼光を保ったままガッツポーズも見せるなど、好調ぶりがうかがえました。

左から、ノビ選手、ULSAN選手

快進撃を見せるノビ選手に、ルーザーズ決勝戦で立ちはだかったのはATIF選手。ここまで好調なノビ選手の出鼻をくじくように、ATIF選手はリズムよく2セットを連取し、試合を優勢に進めます。

左から、ノビ選手、ATIF選手

3セット目を前に、大きく息をついたノビ選手。会場からは「Let’s go Nobi!」、「Nobi, Please!」との声援を受けます。しかし、ノビ選手をもってしてもATIF選手の猛攻はしのぎきれず、セットカウント0-3でATIF選手の勝利に。この結果3位でフィニッシュとなったノビ選手は、試合後、素晴らしいプレーを見せたATIF選手をハグで祝福しました。

グランドファイナル(優勝決定戦)に進出したのは、前年度の「EVO 2023」における『鉄拳7』部門の優勝者であり、今回もここまでのトーナメントを無敗で勝ち上がったArslan Ash選手。対するは、彼と同郷のパキスタン人であるATIF選手です。

試合前にプレーヤーサイド決めの“じゃんけん”をする、Arslan Ash選手(写真左)、ATIF選手(写真右)

ウィナーズ決勝戦で相まみえた2名の再戦ということで、注目が集まったこの試合。リベンジに燃えるATIF選手は、相手のわずかなミスを見逃さず1セット目を取得。しかしArslan Ash選手もまったく譲らず、セットカウントは1-1に。

勝負の分かれ目となったのは3セット目。その第2ラウンドにて、お互いに体力ゲージがわずかの状況から、均衡を破って勝負手をねじ込んだArslan Ash選手。そのままセットを取りきり、優勝に王手をかけます。

左から、ATIF選手、Arslan Ash選手

その後ATIF選手が、この日初投入となるフェン・ウェイへと使用キャラクターを変更。セットカウントは2-2までもつれ込こんだものの、勝負どころで投げ技を通すなどATIF選手の猛攻を捌ききったArslan Ash選手が見事勝利しました。

かくして、「EVO 2024」・『鉄拳8』部門チャンピオンの座をつかんだArslan Ash選手。エントリー総数約4,650人の頂点に輝くとともに、本家「EVO」における『鉄拳8』部門の初代王者となりました。

グランドファイナル終盤、チャンピオン誕生の瞬間を間近で見届けようとする大勢の観客たちが集結。試合終了とともに、一進一退の激闘を繰り広げたArslan Ash選手、ATIF選手の両名に対し惜しみない拍手を送りました。

●「EVO 2024」『鉄拳8』部門・決勝トーナメント最終結果
・優勝:TM/RB|Arslan Ash選手
・準優勝:Falcons|ATIF選手
・3位:TeamYAMASA|ノビ選手
・4位:KDF|ULSAN選手
・5位タイ:Dragons|Raef選手
・5位タイ:ZETA DIVISION|ケイスケ選手

上位20名が「TWT2024 Global Finals」に進出! 現在のポイントランキングはこちら

今後の『鉄拳8』の最新情報については、『鉄拳8』公式サイトおよび『鉄拳8』公式Xにてご確認ください!

▼『鉄拳8』ブースが連日大賑わい! 「NIKE」や「Chipotle」とのコラボ発表で盛り上がった「EVO 2024」会場レポート前編はこちら

【取材後記】
『鉄拳8』部門だけで4,500人以上、全体では1万人を超える参加者が集まった「EVO 2024」。“世界最大の格闘ゲーム大会”のスケール感や、世界中の選手たちが真剣勝負を繰り広げることで生まれる熱気など、現地のお祭り騒ぎっぷりが少しでも伝わっていれば幸いです。

今回の結果を受けて、「TWT2024 Global Finals」の出場枠争いはさらに白熱。2024年12月に東京で開催される「TWT2024 Global Finals」では、『鉄拳8』発売1年目の集大成を飾るに相応しい興奮と感動が我々を待ち受けているはず。今後の展開にも注目していきたいと思いました!

取材・文/山本雄太郎
1994年生まれのフリーライター。ゲーム、esports関連の分野を中心に、イベントレポート記事やインタビュー記事などを執筆。今回手に入れた「EVO 2024」のメディアバッジは額に入れて飾る予定。

TEKKEN™8 & Bandai Namco Entertainment Inc.