全世界がワクワクすっぞ!?『ドラゴンボール レジェンズ』宣伝Pの挑戦(前編)

“来いよ、指1本で相手してやる”。現在配信中のワンフィンガーカードアクションバトルアプリ『ドラゴンボール レジェンズ』。事前登録者がワールドワイドで450万人(!)を突破。その裏側には、宣伝プロデューサーたち「全世界情報発信」へのこだわりがありました。

「世界中の“サイヤ人”に対戦してほしい!」そんな想いを込めたバンダイナムコエンターテインメント初の「全世界同時プロモーション」

「全世界へ情報発信をする」。いったいどんなことをしたんでしょうか? 宣伝プロデューサーのみなさんにお話を伺うことに! 座談会に登場してくれたのはこちらの3人です。

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写真左から、加藤隆太さん(欧米地域担当)/金甫珉さん(アジア地域担当)/橋本貴大さん(国内担当)

社内ではみなさん「宣伝プロデューサー」と呼ばれ、 CM、雑誌や公共交通広告、Web広告など、あらゆるタイプの情報発信をプロデュースしているそうです。「遊ぶ前からワクワクしてもらいたい」という気持ちで取り組んでいるんだとか。

世界同時通信対戦ゲーム。ならば、情報発信も全世界へ!

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――『ドラゴンボール レジェンズ』は「ワンフィンガーカードアクションバトル」だそうですが、どんなゲームなんですか?

加藤隆太さん(以下、加藤):スマートフォンで指1本のタップで遊べる本格格闘アクションです。片手で気軽に楽しめるゲームでありながら、フルボイスで3Dアクション。しかも全世界同時通信対戦が可能ということで、バンダイナムコエンターテインメントとしてもかなり力の入った作品です。ド派手な演出があるので難しく感じるかもしれませんが、普段カジュアルゲームをプレイされる方でも存分に楽しんでいただけると思います。

――『ドラゴンボール レジェンズ』を世界同時に発信したそうですが、手応えはどうでしたか?

金甫珉さん(以下、金):全世界への情報発信は弊社でも初の試みだったので、当初は「どうしよう!」と、正直不安もありました(笑)。でも、悟空と同じで「ワクワクすっぞ!」という気持ちもありましたね。

橋本貴大さん(以下、橋本):世界で情報発信をすることが決まったのは2017年の年末でした。2018年3月末の発表までの時間、ファンのみなさんに期待してもらい、素晴らしいゲームを届けるために何をすべきなのか、チーム全員でベストな方法を模索しながらプランニングを進めました。

アメリカでタイトル初お披露目! 期待感MAXな中、プレッシャーも

――そしていよいよ、世界に向けて情報が解禁に!

加藤: 2018年3月末にサンフランシスコで開かれたイベントでタイトルを初公開しました。私も現場にいたんですが、会場の熱気はものすごくて、「こんなに盛り上がるんだ!」とびっくりしましたね。
会場の様子は全世界にライブ配信しました。アメリカと日本にいるプレイヤーがリアルタイムで対戦したんですが、日本は深夜……。日本のプロモーション担当の橋本はこのオフィス(バンダイナムコ未来研究所)に来てライブ配信や対戦のコーディネートを行っていました。

橋本:サイヤ人同士のプレイヤーが戦っている中、僕は世界同時発信を実現するために、時差と戦っていましたね(笑)。

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――なぜアメリカで初公開をしたんですか?

橋本:世界中の“サイヤ人”と戦えるゲームなんだ!と実感していただくことを意識しました。そのために、日本発のアプリゲームを敢えてアメリカでワールドプレミアにしたんです。

加藤:実際、SNS上では発表直後からゲームメディアを中心に続々と記事がアップされました。メディアで取り上げていただいた数も過去最高でした。アメリカで発表した効果かも、と思います。

世界同時発信で、遊ぶ前のワクワク感演出にこだわる! 事前登録ユーザーが一緒に盛り上がるための工夫とは?

――『ドラゴンボール レジェンズ』の情報発信には何人くらい関わっているんですか?

橋本:全地域を合わせて10人強ほどで、一つのタイトルとしてはとても多いんです。

金:いつも会議室を探すのが大変(笑)。私たち宣伝プロデューサーやプロモーター以外の開発メンバーとも会話し、みんなで面白いアイデアを出し合っています。

加藤:世界同時発信ということで、一人ひとりが担当以外の国での情報発信についても知っておかなくちゃいけません。各国のユーザーの声もみんなで共有できますから、自分の担当エリア以外の「生の声」を聞ける貴重な機会を持つことができました。

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――初公開以降、情報発信はどのように?

加藤:リリースまでは2か月ほどありました。開発を間近に見ていて、僕たちも「すごいゲーム」だと分かっていたので、ユーザーのみなさんにもワクワク感を持ってお待ちいただくために、情報をどのように伝えるかには細心の注意をはらいました。

橋本:例えば、シンプルなことですが、時差を気にしながら各言語の公式サイトに同じタイミングで情報を出すとか。

――「日本のユーザーだけずるい!」みたいにならないようにするわけですね。

金:特に海外では日本に比べるとイベントなどが少ないので、SNSでも情報更新はマメに行うように気をつけていました。公式サイトの情報を更新するのも全世界同時にこだわり、翻訳原稿を同時に準備しました。毎日やりがいがあって、本当にあっという間。駆け抜けるような2か月でしたね(笑)

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――ユーザーとコミュニケーションしながらの情報発信なんですね。そんな中、期待のバロメーターでもある事前登録者数は450万人を超えました!

橋本:こんなに多くの反響があったのは、バンダイナムコエンターテインメントとしても過去最多ということで、嬉しい気持ちと同時にプレッシャーもありました。

金:達成感もあるし、もっと多くの人に楽しんでほしいという欲も出てきましたね。

橋本:事前登録者が増えると同時に、登録報酬の追加なども当初の想定以上に準備することになりました。それについても、世界で不公平感が生まれないように各言語で足並みを揃えて「世界同時に」やることを大事にしました。

金:全世界がつながって、一緒に盛り上がる。一体感を肌で感じられることは嬉しいですね。

加藤:私は子どもの頃、まさにドラゴンボールのゲームやアニメを楽しんでいた世代。もし子どもの頃に『ドラゴンボール レジェンズ』があったら、めちゃくちゃ盛り上がったと思います。世界中にいる同じ思い出を持っている仲間に、CMやSNSでの情報発信を見てもらい、あの頃のような純粋なワクワク感を届けたいですね!

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【取材後記(前編を終えて)】

ゲームの発売日を待つワクワク感や期待感、誰でも経験したことがあると思います。

ユーザーのそんな気持ちをさらに充実させるための取り組みややりがいを教えていただけた前編でした。そして、その根底には「このすごいゲームを、ドラゴンボールを愛するユーザーに届けたい!」という熱い想いがありました。

後編では、北米、アジア、日本それぞれのエリアで実際に行われた情報発信についてお聞きします!

いっちょやってみっか!『ドラゴンボール レジェンズ』世界各国の情報発信(後編)≫≫≫

取材・文/高田陸(shiftkey)
1991年生まれ。週末になるとマンガが増えます。ゲームもHDD内でこっそり増えます。

写真/岡田一也